法人設立後はハローワークへ!必要な手続きとは?

こんにちは。

Lib税理士事務所、代表の上田洋平です。

今回のお役立ちブログのテーマは、「法人設立後、ハローワークにて必要な手続き」についてご紹介します。

■人員を雇用するならハローワークへ

面倒な登記手続が終わり、無事に登記されたら安心したいところですが、ここからがスピード勝負といえます。
登記後に書類提出が必須となる手続きはいくつかありますが、ここでは人員を雇用する際のハローワークでの手続きについてまとめてみましょう。
ハローワークが関係するのは従業員を雇用する場合に限ります。
人員を雇用するなら労働保険への加入が必須となりますので、まず労働基準監督署に行き、その後にハローワークへ行くことになります。
期限は短いもので雇用日から10日以内とされていますので、法人設立してすぐに雇用契約を締結するならそこも注意しましょう。

■労働基準監督署での手続き

まずは労働基準監督署へ行き、手続きする必要があります。
書類は以下の2つです。
労働保険保険関係成立届(保険関係成立日から10日以内)
労働保険概算保険料申告書(保険関係成立日から500日以内)

次にハローワークへ行き、手続きする必要があります。
書類以下の2つですが、こちらは別に提示書類が必須となりますのでそちらを準備する必要があります。

提出書類

雇用保険適用事業所設置届(設置日から10日以内)
雇用保険被保険者資格取得届(事実日の翌月10日まで)

提示書類

・登記簿謄本(全部事項証明書)
・労働者名簿
・賃金台帳
・出勤簿
・賃貸借契約書(建物などを借りている場合)
・法人設立届出書
・労働保険関係成立届のコピー

最後の労働保険関係成立届に労働基準監督署の収受印が押印されている必要があるため、先に労働基準監督署へ行って手続きを終わらせておかなければなりません。
提示書類がとてもたくさんありますが、名簿や賃金台帳、出勤簿などは人員を雇用する前に作成しておく必要があります。
登記後すぐに人員を採用して事業を始めたいなら、時間的にかなり厳しくなることは承知しておく必要があるでしょう。
それでは、ハローワークに提出する書類について解説します。

・雇用保険適用事業所設置届

手続きにおいて非常に重要な書類です。
法人番号欄がありますので、法人設立登記をした後送付されて来る法人番号指定通知書で確認してください。
主な項目は以下の内容です。
・事業所の名称
・雇用保険の適用事業所となった年月日
・労働保険番号
・事業概要
・1日の平均従業員数の見込み
・雇用保険が適用となる従業員数
・賃金締切日
・賃金支給日

それぞれ正式名称で略さずに書く必要があります。
事業概要欄にはなるべく具体的な事業内容を書いてください。
1日の平均従業員数という表現は慣れないかもしれませんが、年間の延べ労働者数を年間の所定労働日数で割って算出します。
書類には事業所印と事業主印の押印が必要です。
公的書類ですので、誤りは許されないと認識してください。

・雇用保険被保険者資格取得届

こちらの届出書は、雇用保険の被保険者を雇い入れるたびに提出が必要となります。
提出期限は雇い入れた日か、雇用保険の加入要件を満たした日の翌月10日までです。
添付書類は基本的に不要ですが、前職場の雇用保険被保険者証があればそのコピーが必要です。

■労働保険と雇用保険

労働基準監督署では「労働保険」に関する手続きを行う一方で、ハローワークでは「雇用保険」に関する手続きを行います。
労働保険は、従業員が業務上もしくは通勤上にケガや病気などの労働災害に遭ったときに保険給付を行うものです。
雇用保険は、従業員が失業や休業をした場合に給付を行うものです。
双方適用が異なり管轄も違いますので、どちらも雇用主が手続きをしなければなりません。
前述の通り届け出には期限があるため、雇用を考えるならスピーディーに対応する必要があります。
フォーマットは窓口で受け取れますしその場で作成もできますが、提示書類が多いのでそれらを漏れなく準備して窓口に行くことが前提です。
登記が終わり、ようやく実務を進められるかというところでさまざまな手続きがありますが、期限を破れば懲罰を受けてしまうリスクもあるため気は抜けません。
難しい場合や不安のある場合には、士業の力を借りることも視野に入れたほうが良いでしょう。

■雇用主に必須となる雇用保険の基礎知識

前述の通り、ハローワークへの届け出は該当する人員を雇用するたびに必要となることを忘れてはいけません。
雇用主は雇用保険の対象となる労働者を雇用する際、必ず雇用保険に加入させなければならない義務を負います。
社会保険に比べて適用範囲が広く、手続きが発生することも比較的多いでしょう。
経営者は人を雇う以上、雇用保険については正しく理解しておかなければなりません。
雇用保険は、失業した際に生活の安定を図るためにあります。
その収入で生計を立てている人の場合、給与が得られなくなれば経済的負担が大きくのしかかることになるのです。
失業期間中に一定額の給付があれば、まず生きていけるだけの収入を得て、次の仕事を探すことができます。
こうしたことから、失業者が再就職できるよう促す役割も持っているのが雇用保険です。
労働者の権利を守るという観点から、日本では重要な制度に位置づけられています。
政府が管掌する強制保険制度の一つで、労働者を雇用するあらゆる雇用主に強制適用されます。
重要なのは自社で働いてもらう人員が加入条件に該当するかどうかですが、基本的な条件は以下の3つです。
・勤務開始時から最低31日間以上働く見込みがある
・1週間あたり20時間以上働く
・学生ではない(ただし例外あり)
それぞれを詳しく見ていきましょう。

・最低31日間以上働く

雇用する時点で31日間以上継続しないことが最初からハッキリしているなら、雇用保険の加入条件には該当しません。
たとえ雇用契約が31日未満でも、更新の見込みがあるなら該当するとみなされます。
また更新規定がなかった場合でも、実際に31日以上雇用された場合には適用されます。

・1週間20時間以上

所定労働時間が週20時間以上なら該当します。
ただしこれは一時的に残業などで週20時間以上働いた実績があっても、契約上の所定労働時間でないなら該当しません。

・学生ではない

原則、学生は雇用保険に加入できませんが、一部例外があります。
卒業見込証明書があり、卒業前に就職してそのままずっとそこで働き続ける予定なら、一般労働者と同様と認められ対象とされます。
内定を得ている学生が卒業前にフライングで勤務スタートした場合、同じ企業で勤務し続けるとわかっているなら雇用保険加入対象となります。
なお、学生というくくりは昼間学校に通う人員を指し、通信教育や夜間定時制学校の場合は学生であっても一般労働者と同等にみなされますので注意しましょう。
つまり、前述の条件を満たせば対象者となります。
人員を雇用するなら、事前にどのような勤務状態になるかを確認し、雇用保険加入条件を満たすかどうか精査してください。
法人設立と同時に人員雇用を計画するならこれらの基礎知識をしっかり持ち、必要に応じてハローワークへの届け出を行う必要があります。

■もし義務を怠れば罰則も

先にも触れましたが、雇用保険は重要な制度とされています。
事業者は必ず該当する労働者を雇用保険に加入させなければならない義務があり、これを万が一にも怠った場合には厳しい罰則があるのです。
雇用保険法の罰則規定によると、事業者が雇用保険に加入させる義務を怠った場合、懲役6ヶ月以下もしくは罰金30万円の罰則規定があります。
うっかり期限を過ぎたからといって突然この罰則が適用されるわけではないものの、労働局の調査が入り義務違反が認められれば指導や勧告が行われ、それだけでも社会的信用は大きく崩れることになります。
法人設立後、いよいよ実務を開始できるという華々しい段階で、このような汚点を残すことはできません。
必要なのは正しい知識と手続きですので、不安があるなら迷わず専門家のサポートを受けることをおすすめします。