各種税金の申告期限について

こんにちは。

Lib税理士事務所、代表の上田洋平です。

今回のお役立ちブログのテーマは、「各種税金の申告期限」についてご紹介します。

■申告期限を守ろう

日本では税金は自ら申告して納付する申告納税制度が採られており、各種税金の申告・納付の期限は各税金を定めた各種税法で規定されています。
税法で定められた申告義務を負う方が申告期限を過ぎて申告した場合、加算税や延滞税が課される場合があるため、注意しなくてはなりません。

■個人や個人事業主の所得税や消費税について

所得税及び復興特別所得税は毎年2月15日から3月15日までに、前年度分(前年1月1日から12月31日まで)の申告しなくてはなりません。
還付申告の場合は2月15日以前より提出が可能です。
なお、期日が休日や祝日にあたる場合には翌営業日まで伸長されます。
納期限は第一期分はその年の7月末まで、第二期分は11月末となり、末日が金融機関の非営業日である場合には翌営業日となるのです。
また、消費税及び地方消費税の個人事業者における確定申告の申告期限及び納期限は、例年3月末、末日が非営業日の場合は翌営業日となります。

■法人の申告期限について

法人の場合は、法人によって事業年度の始まりと終わりが異なるため、申告期限を間違えないよう、事業年度の収支管理と申告管理をしなくてはなりません。
法人の確定申告及び法人税の申告期限と納期限は各法人の事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内です。
地方法人税は課税事業年度終了の日の翌日から2ヶ月以内です。
なお、納期の特例の承認を受けていない場合の源泉所得税及び復興特別所得税の納期限は源泉徴収の対象となる所得を支払った月の翌月10日となります。

■贈与税について

贈与税については前年1月1日から12月31日までに受けた贈与について、贈与税が発生する場合には翌年の2月1日から3月15日(休日、祝日の場合はずれます。)までに申告、納税をしなくてはなりません。
相続税については、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内です。

■申告をしなかった場合

期限内に申告をすることを失念したときや忙しくて間に合わなかったときには、申告期限であっても、できるだけ早く申告することが必要です。
申告期限を過ぎてからの申告することを、期限後申告と呼んでいます。
期限後申告の場合、申告書を提出した日が納期限となりますので、提出と同時に納税もしなくてはなりません。
事情によっては法定納期限の翌日から納付の日までの延滞税の納付も求められることがあります。
期限後申告をした場合や申告をしなかったことで税務署から所得金額の決定を受けた場合、無申告加算税や重加算税がかかる場合があるので注意しましょう。
期限内に申告や納税を行わない場合や誤って過少申告をした場合などには加算税がかかるほか、税金を滞納すると、財産の差し押さえなどの滞納処分を受ける場合もあるため注意が必要です。
なお、災害や感染症拡大などにより、期限までに申告や納付ができないケースに備え、納税を一定期間猶予することや申告期限や納付期限が延長されることがあります。
この場合には延滞税などは課されません。
また、納期限までに納付できない事情がある場合に法令の要件に該当すると、財産の差し押さえや換価処分を猶予する制度もあるため、早めに税務署に相談しましょう。
なお、相続税・贈与税については納期限までに納付が困難な場合の延納制度があります。
また、相続税は延納でも金銭納付が困難な場合に、不動産などの財産によって納める物納が認められることがあるのです。

■申告内容を間違えてしまった場合

税金の申告書を提出した後に、計算ミスや計上漏れなどがわかったときは申告内容を訂正することが可能です。
正しく計算した場合にすでに提出した申告額のほうが多かった場合には更正の請求を行い、税額を少なく申告していたときは修正申告を行います。
更正の請求ができる期間は、原則として、法定申告期限から5年以内となりますので、税金を多く払いすぎていたと気付いたときには早めに更正の請求を行いましょう。
修正申告の場合は税務署から更正を受けるまではいつでもできますが、気づいた段階で自ら早めに申告することがおすすめです。
なぜなら、不足していた税額に関して修正申告書を提出する日までの延滞税とあわせて納付が必要なため、伸びるほど延滞税の金額もかさんでしまうためです。
修正申告を自ら行わずに、国税局や税務署から調査の通知を受けた後で修正申告をすることとなる場合や国税局や税務署から更正を受けた場合には不足額の税額と延滞税に加えて、過少申告加算税は重加算税がかかる場合があります。
そもそも当初の申告が期限後申告である場合には無申告加算税又は重加算税がかかることがあるため、税金を納める額が少なかったと気付いたときには自ら進んで修正申告を行いましょう。

■税金の納付方法について

税金の納付方法は税金の種類や納めるべき税額によっても異なりますが、いくつかの方法の中から、支払いやすい方法で納めることが可能です。
申告書類を税務署へ持参する場合など、現金にてその場で窓口納付ができます。
また、金融機関においては、納付書を添えて現金で納付することもできるのです。
現金納付を行った場合、申告書の提出後に税務署から納付書の送付や納税通知書等のお知らせは郵送されません。
今の時代に便利なのが電子納税(e-Tax)です。
e-Taxはすべての税目で利用でき、ダイレクト納付の方法又はインターネットバンキングを使った納付が可能です。
電子納税なら税務署や金融機関の窓口に出向く必要がないので、忙しい方でも時間を問わず納付ができ、納期限を過ぎてしまうリスクも減らせます。
また、税額が高額になる場合には現金の持ち歩きによる盗難や紛失などのリスクがないので安心です。
ダイレクト納付は、納期限前の計画的な予納でも利用ができるので便利です。
ただし、e-Taxを利用するにはe-Taxの開始届出書を提出するなど、事前の手続きが必要となるので注意しなければなりません。
納付を忘れていたと焦って利用しようとしても、すぐには利用ができないため、前もって電子納税の手続きを行っておきましょう。
納付漏れのリスクを減らせるのが、振替納税です。
あらかじめ設定したご自身の銀行口座からの引き落としになるため、口座残高がある限りは納期限をうっかり忘れる心配がなく、延滞税などがかかるリスクを減らせます。
ただし、利用できる税金の種類は申告所得税及び復興特別所得税、個人事業者の消費税及び地方消費税に限られるのです。
振替納税を利用するには、納期限までに所轄税務署又は預貯金先の金融機関に口座振替依頼書を提出する必要があります。
これから設定する人は、確定申告書の提出時に同時に口座振替依頼書を提出するとスムーズです。
クレジットカードのポイントを貯めたい方は、クレジットカード納付の方法もあります。
クレジットカードは税務署の窓口や金融機関での納付では使えません。
インターネットの専用のサイトを経由する必要があり、インターネット上で納付したい税金の種類を選び、クレジットカード情報や税額などを入力して決済をします。
クレジットカード納付は納付税額に応じた決済手数料がかかりますので、コスト負担を抑えたい人は手数料額を上回るポイントが得られるかなど検討しましょう。
納付金額は30万円以下であれば、コンビニ納付も可能です。
24時間いつでも、所轄税務署等から発行されるバーコード付納付書を持参するか、国税庁ホームページから納付に必要な情報をQRコードとしてプリントアウトしてレジに提示し、現金で納付します。
コンビニ納付ではクレジットカード決済やコンビニのポイントやデジタル通貨による支払いはできず、現金払いのみとなりますので注意しましょう。