こんにちは。
Lib税理士事務所、代表の上田洋平です。
今回のお役立ちブログのテーマは、「会社設立時に必要な法人印鑑の賢い買い方」についてご紹介します。
■法人印鑑は用途によっては複数必要
必要な書類の作成や手続きなど、会社設立にはさまざまな作業があります。
その際に不可欠なのが法人印鑑ですが、どんな種類の印鑑が必要で、どうやって作成したら良いのかわからない、という人も多いのではないでしょうか。
法人印鑑には種類があり、用途によって複数用意しておく必要があります。
ここでは、法人印鑑の役割から買い方・選び方まで必要な情報をお伝えします。
■法人印鑑の役割を知ろう
実印や認印、銀行印など、個人で印鑑を使い分ける人も多くいますが、これと相当するのが法人印鑑にもあります。
・会社実印
会社実印は、法務局で会社を登記する際に必要となる印鑑です。
実印としての役割を果たしますので、登記のほか公正文書に押印するときにも用いられます。
実印には枠が二重あり、外枠には会社名(商店名や団体名も含む)、内枠には代表取締役印が入ります。
・会社銀行印
会社銀行印は、会社が金融機関に登録し、預金の支払いなど、銀行を利用する際に使われる印鑑になります。
実印と同じく、会社銀行印は外枠と内枠に分かれ、外枠には会社名が、内枠には「銀行之印」の文字が彫刻されているのです。
・会社認印
セキュリティ上の理由から、実印と分けて使われるのが、会社認印です。
実印は使用する範囲が広く、使用頻度も上がるため、第三者に悪用されるおそれが出てきくるのです。
そこで実印の代わりに使用されるのが会社認印で、社内で最も使用頻度の高い法人印鑑になります。
役職ごとに会社認印を用意している会社もあります。
・角印
法人印鑑には、丸印のほかに角印がありますが、これは認印の一種で、実印とともに押印される傾向があります。
領収書や請求書、納品書など会計に必要な書類のほか、社文書や会社の契約書などにも用いられるのです。
角印には「(会社名)印」や「(会社名)之印」と入れられている場合が多く、押印することで、会社や団体のシンボル的な役割も果たします。
・丸印と角印どちらも必要?
丸印はさまざまな契約書に用いられます。
そのため複数の丸印を作成し、それぞれの業務に備えることは不可欠です。
角印はどちらかというと補佐的な役割を果たしますが、丸印と併用することで、会社が発行する文書であることを明確にする意味で、必要になります。
丸印と角印の役割はそれぞれ異なりますので、会社設立の際は、どちらも作成しておくことをおすすめします。
■法人印鑑の作成は専門店で
印鑑を取り扱っている店すべてが、法人印鑑の販売を手がけているわけではありません。
印鑑店には得意不得意があり、法人印鑑を購入するなら、法人印鑑を得意としているところを選ぶのが無難です。
特に法人印鑑のオーダーメイドを受け付けている専門店をおすすめします。
・仕事に関わる重要な印だから
法人印鑑は、契約や決定など、会社の業務において重要な局面で使用される場合がほとんどです。
その際印影が欠けたり薄れてしまったりすると、重要な契約書としての効力に影響を与える可能性も出てきます。
そうしたトラブルを避けるため、法人印鑑は印影が美しく、重要な契約書にふさわしい書体が入ったものが理想になるのです。
オーダーメイドの法人印鑑なら、実印にふさわしい質と美しさが期待できます。
・適切なサイズや書体がある
法人印鑑に向いている書体はいくつかあります。
たとえば銀行印や実印のように、偽造が難しいハンコを作るなら、吉相体(きっそうたい)や篆書体(てんしょたい)が無難で、古印体(こいんたい)のように、読みやすい書体は認印向きです。
サイズにも向き・不向きがあります。
たとえば会社の実印は、1cm~3cmの正方形に収まる範囲と規定されています。
法人印鑑の専門店であれば、こうした細かなサイズや要望に対応しやすく、納得がいく法人印鑑を作成してもらいやすくなるのです。
・法人印鑑はどこで購入するのがおすすめ?
法人印鑑を購入するには、店舗に直接訪れるか、通販で注文するか2種類の方法があります。
どちらが良いかは、利用しやすい方を選ぶと良いでしょう。
いずれにしても、法人印鑑の取扱実績が豊富で、相談しやすく、値段が手頃なお店を選ぶことがポイントになります。
長期保証サービスを提供するなど、アフターケアサービスが充実しているお店も、おすすめです。
■法人印鑑を選ぶコツ
会社運営で長く使い続ける法人印鑑を選ぶコツはいくつかあります。
特にサイズ・書体・素材・ハンコの形の面を考慮することが、選ぶポイントになるでしょう。
・サイズ
法人印鑑は、個人で使うものよりも大きめのサイズというのが原則です。
さらに、使用する印鑑の種類によって定番サイズが異なりますので、使いやすいサイズに合ったものを選ぶようにしましょう。
会社の実印(代表者印)は、18mm~21mm、法人銀行印は16.5mm~18mm、角印は21mm~24mmが、各定番サイズになります。
・書体
会社印や銀行印などは、読みやすさよりも、「偽造されにくさ」「会社としての威厳」を出すことを優先しますので、「印相体」など可読性の低い書体が好まれます。
可読性の低い書体の中で最も用いられているのが、「篆書体」で、どの書体にしようか迷ったら、篆書体を選びましょう。
・素材
法人印鑑に用いられる素材は、毎日使い続けても壊れにくく、会社の大事な局面で使用されるハンコらしく、堂々とした風格のあるものが好まれる傾向があります。
丸印と同時に角印も使用頻度が高いため、耐久性を重視して選ぶことをおすすめします。
丸印と角印をセットにして販売している商品もありますので、見た目の良さも考慮して、同じものを揃えるというのも良いでしょう。
法人印鑑として理想的な素材は、チタンと黒水牛です。
高品質な金属としてよく知られているチタンは、アルミや鉄より強度が高く、耐熱性にも優れています(約1600度の熱に耐えられると言われています)。
金属というと錆びるイメージがありますが、チタンは錆びにくく、耐食性の高さは、橋の足などに使用されていることからもよくわかります。
軽くてキズがつきにくいという特徴も兼ね揃えているチタンは、法人印鑑の素材としては理想的といえるでしょう。
印鑑に使用されるチタンは、シルバーのほかにゴールドチタンやブラックチタンと複数あり、好みで選ぶことも可能です。
黒水牛で作られた法人印鑑も、人気のある素材の一つになります。
漆黒の美しさと耐久性の高さ、さらにチタンよりも安価であることが人気の秘密といえるでしょう。
コバルトクロムモリブデンは、耐久性や耐食性、変形防止に優れ、次世代の法人印鑑として注目を集めています。
軽くて持ちやすく、押印のしやすさも追求したコバルトクロムモリブデンは、男性・女性にかかわらず、快適に使いこなせるでしょう。
スタイリッシュなデザインで、お手入れも楽にできるため、機能性を重視したい人向きの素材といえます。
・ハンコの形
ハンコの形には、大きく分けて「寸胴型」と「天丸型」の2種類あります。
天丸型のハンコは、手を持つ部分がくびれ、ひょうたんのような形をしたタイプのハンコです。
寸胴型は上から下まで同じ太さのハンコで、個人で使用するハンコはほぼこのタイプになります。
法人印鑑にはどちらのタイプのハンコも使われていますが、目的応じて使い分けられているようです。
天丸型は押印しやすく見た目に威厳があるため、会社実印や銀行印などに向いています。
寸胴型は天丸型よりコストが抑えられるため、認印などよく使用するハンコに使われます。
■丸印と角印の作成がおすすめ
法人印鑑にはいくつか種類があり、会社はそれぞれの用途に応じて使い分けています。
会社設立の際は、必要とされる丸印と角印を作成することをおすすめします。
会社の顔ともいえる法人印鑑は、オーダーメイドで作るのが理想です。
選び方にはいくつかポイントがありますが、それらを参考にして、長く使える法人印鑑を作成してみてください。